特別受益

被相続人に「家を立てるときに資金援助してもらった」とか、「会社の開業資金を出してもらった」などという相続人がいる場合、これらを考慮しないで遺産分割しようとすると不公平が生じてしまうことがあります。
このように相続人が被相続人の生前に受けた贈与や遺言による贈与などを受けた人を特別受益者といい、その利益を特別受益といいます。

特別受益者がいる場合、他の相続人との公平を図るため、相続の際に遺産に特別受益を加えて各相続人の相続分を計算します。

特別受益がある場合の相続分の算定

特別受益がある場合は、被相続人の死亡時の財産に生前に贈与した特別受益分を加えます。相続財産に特別受益を加えたものをみなし相続財産といいます。 これを「特別受益の持ち戻し」といいます。 このみなし相続財産の額をもとに各相続人の法定相続分または遺言による指定相続分を計算します。
特別受益者は、上記の計算で算出した相続分から特別受益分を差し引いた額が相続分となります。

特別受益がある場合の相続分の計算方法

特別受益の額が相続分の額に等しいとき、またはこれを超えるときは、特別受益者は相続分を受けることが出来ません。

特別受益が相続分をこえる場合でも、相続分を超えた額を他の相続人に返還する必要はありません。
ただし、特別受益が他の相続人の遺留分を侵害する場合は遺留分減殺請求の対象となります。他の相続人から遺留分減殺請求を受けた特別受益者は、遺留分の額を支払うことになります。

特別受益者がいる場合でも、相続人の話し合いで特別受益を考慮せずに分割することができます。

特別受益の対象となるもの

生計の資本としての贈与

例えば、家を建てるときに援助してもらった住宅資金や、会社を設立するときの開業資金、大学に進学したときの費用などです。

婚姻・養子縁組のための贈与

結婚式の費用を出してもらった場合も特別受益となります。

遺贈

遺言による贈与(遺贈)も特別受益となります。

特別受益の評価

特別受益の評価は、相続が開始した時点で評価します。
例えば、30年前に1000万円で買ってもらった家がある場合、相続開始時の評価がに3000万円だとすると3000万円の特別受益がったものとして計算します。
特別受益が現金であった場合も、相続開始時の貨幣価値で評価します。

また、贈与された家が、相続人の失火で消失してしまったなどのように、相続人の行為で贈与されたものが減ったり、なくなった場合でもあるものとして評価されます。

持戻しの免除

被相続人が「特別受益を相続財産に加えない」という意思を示しているときは、その意思に従うことになります。これを特別受益の持戻しの免除といいます。

ただし、持戻しの免除についても、遺留分の制限を受けます。

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